栗原はるみさんの 豆と野菜と豚肉の煮込み ひとり暮らしの幸せごはん

栗原はるみさんの「わたしの味」の中から豆と野菜と豚肉の煮物 わたしの味
栗原はるみさんの「わたしの味」の中から豆と野菜と豚肉の煮物

■ #1 豆と野菜と豚肉の煮込み ― 小さな挑戦の予行演習 ―

「Julie & Julia ジュリー&ジュリア」に影響されて、
私もひとつ、小さな挑戦をしてみることにしました。

(前回のお話はこちら▶︎ 前回の記事リンク


■ 大きな挑戦ができない日は、台所で小さな一歩を

最近、ぐっと冷え込んできました。
突発性難聴の後遺症なのか、更年期の揺らぎなのか、
耳鳴りや頭痛が出る日も増えています。

若い頃のように、大きな挑戦を次々とこなすことはできなくても、
それでも変わらずに心を躍らせてくれることが私にはひとつあります。

それは「家庭料理を作る時間」。

身体の不調にもそっと寄り添いながら、
無理のない範囲で夢中になれること。
今の私のフェーズには、そのくらいのペースがちょうど良いのかもしれません。


■ 栗原はるみさんの「豆と野菜と豚肉の煮込み」

栗原はるみさんの「わたしの味」の中から豆と野菜と豚肉の煮物
栗原はるみさんの「わたしの味」の中から豆と野菜と豚肉の煮物の材料を準備

作ってみたいレシピ本を取り寄せたものの、
届くまでにはあと数日かかりそう。

そこで、手元にある栗原はるみさんの『わたしの味』をひらき、
今日は「豆と野菜と豚肉の煮込み」に挑戦してみることにしました。

レシピでは豚肩ロース肉のかたまり1kgを使うのですが、
夜のスーパーでそのサイズを探すのは少し難しくて、
小さなパックに分けられていたものを2つ合わせて 366g に。

最初からレシピ通りではないスタートですが、
一人暮らしには、このくらいの量がむしろちょうど良さそうです。

ブロッコリーは、鳥取産の美しい株が手に入りました。
最近少し値上がりしたトマト缶、大豆の水煮を2パック、
キドニー豆はミックスビーンズで代用します。

仕事帰り、レシピの材料メモとにらめっこしながらスーパーを回っている時間が、
なんだか久しぶりに味わうような幸福感を連れてきてくれました。

お会計は 2,500円。
それだけで、小さなごちそうを予約したような気分です。


■ 材料をそろえる時間も、もう料理の一部

翌朝はお休みだったので、朝からゆっくり台所に立ちました。
まずはレシピを何度も読み込み、
366g のお肉に合わせて分量をていねいに換算していきます。

料理教室のように、すべての材料をきちんと計量して並べてみる。
いつもなら「だいたいこのくらい」で始めてしまう私ですが、
今日はプロのレシピに、できるだけ素直に従ってみたいのです。

頭の中で描いた段取りは、こんな流れです。

  • ブロッコリーはかために茹でておく
  • 豚肉にはこんがりと焼き色をつける
  • 白ワインや水分を加えたら、こまめにアクをすくう
  • 調味料を入れてから、コトコトと約1時間煮込む
  • 豆とゆでたブロッコリー、スパイスを加え、最後に味を整えて仕上げる

「今回は私流アレンジは封印」と、自分に言い聞かせながら。


■ 台所に立ちのぼる、プロのレシピの力

下味のついた豚肩ロース肉を焼き始めたところ
下味のついた豚肩ロース肉を焼き始めたところ

しっかり焼き色をつけた豚肉からは、
じゅうじゅう焼ける音と、たまらないおいしい香りが立ちのぼります。

しっかり焼き色のついたお肉
しっかり焼き色のついたお肉はもう、すごくおいしそう

白ワインと水、トマト缶とハーブが加わり、しっかり煮込まれてから
ブロッコリーと豆たちが合流すると、
キッチンが一気に「洋食屋さんの香り」になりました。

ハーブとトマト缶、調味料を入れて1時間煮込みます
ブロッコリーと豆を入れて混ぜ合わせる。最後に仕上げの調味料でおいしさが引き上がりました

レシピでは1時間ほど煮込むのですが、
私の鍋(ストウブ16cm)では材料が少なかったこともあり、
そのままでは水分が足りなくなったようで、
途中、カラメルのような香りがしてきたところで慌てて水を足しました。

ところが、それが案外よかったようで、
ソースはデミグラスのような濃厚さに。
フォークでもほろりと切れる柔らかさの豚肉と、
豆のほっくり感が、スープの中でひとつに溶け合ってくれました。

「そんなに複雑な材料は使っていないのに、どうしてこんなに奥行きが出るんだろう」
そう思ったとき、
しっかり焼きつけることや、こまめなアク取りなど、
ひとつひとつの丁寧な手順がちゃんと味に表れているのだとわかりました。

普段の私は、材料を切ってホットクックにお任せ、が定番ですからね。
ランクがひとつ上の家庭料理を味わっているような、そんな感覚でした。


■ ゆずとナンプラーが、最後のひと押し

味見用のワンプレート
味見用のワンプレート

盛りつけて、まずはひと口お味見。
今日は、ゆずの果汁とナンプラーを少しだけたらしてみました。

ゆずの果汁が爽やかさを連れてきてくれる一方で、
煮込んだ豚肉は驚くほど柔らかく味わい深い。
ナンプラーの塩味が絶妙でこれも大正解。

う〜ん……。

思わず、小さくうなってしまうおいしさ。
そして、漏れる「ほぅ」という幸福のため息。

さすがは、栗原はるみさんが
「うちの自慢料理のひとつ」とおっしゃるメニューだなぁと、
胸の中で拍手を送りたくなるような一皿でした。


■ 小さな挑戦の予行演習

大きな挑戦はできなくても、
台所で、小さな挑戦をひとつ叶えることはできる

今回の「豆と野菜と豚肉の煮込み」は、
これから始めてみたいチャレンジに向けた、
私なりの予行演習のような時間でした。

これからしばらく、
映画や本に背中を押してもらいながら、
小さな「おいしい挑戦」を続けてみようと思います。

その一話目が、今日の #1 「豆と野菜と豚肉の煮込み」。
ゆっくり、丁寧に、自分のペースで。
第二の人生のキッチン日記が、またここから始まりそうです。

#2はこちら

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