私は家庭料理が好きです。
けれど、栗原はるみさんの『わたしの味』のレシピを作るようになってから、
料理の味そのものよりも、
そこに流れている空気のようなものに、心が向くようになりました。
彼女のレシピやエッセイから感じるのは、
いつも「家族ごはん」のあたたかさです。
特別なごちそうではなく、
毎日の暮らしの中で、
自然と繰り返したくなるような料理。
食卓を囲む人の顔を思い浮かべながら、
無理なく作れて、
食べると、ほっとする。
そんな料理に、
今の私は心惹かれるのです。
「わたしの味」を作り始めて、そろそろ2ヶ月が経ちました。
最初に何度も作ったのは、
豆と野菜と豚肉の煮込みでした。
気づけば最近は、
こねないパンやシフォンケーキ、レンジ赤飯を軽やかに追い越して、
手作りソーセージを使ったもやし炒めと、
キャベツのバター炒めが、台所によく登場しています。

作っているうちに、わかったのです。
栗原はるみさんのレシピは、
おもてなしに十分な華やかさを持ちながら、
ちゃんと暮らしの真ん中に置ける料理が、たくさんあるのだと。

炒めた野菜に、塩こしょう。
そこに顆粒コンソメか、鶏ガラスープの素。

とても単純なのに、ちゃんとおいしくて、
思った以上に野菜が食べられる。
派手さはないけれど、
食べると、ほっとします。
たぶん、こういう料理には、
母心のようなやさしさが、そっと隠れているのでしょうね。

バターのこと。
添加物のこと。
気になる日が、ないわけではありません。
それでも今日は、
その声をいったん棚に置いてみました。
料理が作れたこと。
それがおいしかったこと。
そして、忙しい一日の中に、
少し気持ちがゆるむ時間があったこと。
その小さな安心が、
「わたしの味」には、ちゃんとあるのだと感じています。

バランスは、また次で整えればいい。
そう思えるようになってから、
台所の時間が、少しやさしくなりました。
「わたしの味」から学ぶことが、
本当にたくさんあると感じている、2ヶ月後の私です。
来月の私は、
どんなことを思いながら、台所に立っているのでしょうね。
今回の栗原はるみさんのメニュー(アレンジしていますけど)


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