子供の頃は、ゼリーをよく作っていました。
だいたいは図書館で借りた本のレシピや、ゼラチンについているレシピを見て作ります。
当時のゼリー型は、なぜかパンダやクジラなどの動物のイラスト柄が多くて、
子供なのに、子供っぽいのが私の好みではありませんでした。
おしゃまな私は、昭和な雰囲気の、山形だけど花形のようなゼリー型を使っていました。
パンで言うなら、ブリオッシュ型です。
そんな私が初めてオレンジの皮にゼリー液を流し込んで作ったときは、
レストランのシェフになった気分でした。
プルプルのゼリー。
ドロドロのゼリー。
お菓子作りの成功率は、決して高くなかったのですが、
それでもスポンジケーキやマフィンも、懲りずによく作りました。
「手作りすること」だけで、私には十分、楽しくて価値がある頃でした。
料理やお菓子作りは大人の仲間入りですから。
50代の私は、どうやらその頃に戻ったようです。
十分に大人ですし、勉強はしてきたので、それなりにお料理の腕も上がっているのですが
愉しみ方が、どうも、あの頃のようなのです。
夕飯のあと、栗原はるみさんのスパイスシフォンケーキのレシピを眺めながら、
「バナナを入れて、グラニュー糖と水の量を変えてみようかしら」
そんなふうに、「失敗」なんて心配しない私がいたのです。
大きな卵10個を慎重に割る。
あとは、ぐるぐる混ぜていく。
オーブンに入れるまで1時間くらい。
焼き上がるまでの待ち時間は部屋も少し温まります。
夜のキッチンに広がる、完熟バナナの甘い香り。
一晩冷ましてカットします。

翌日。
型から丁寧に取り出す時の楽しさといったら例えようがありません。

24cmのシフォンケーキを16等分しても、
一切れはトーストくらいのとても大きなサイズになりました。
夜のおやつタイム。
シナモンと蜂蜜をかけて、
あつあつのルイボスティーを添えます。

今回は、とても上品なバナナブレッドのような仕上がり。
届いたばかりの『ホビット ゆきて帰りし物語』のページをめくりながら、
私の平日の夜が、静かに過ぎていきます。
時計を見ると、夜がふけていました。
本を閉じて、最後のルイボスティーを飲み終えました。

夜のお掃除。
少しだけ掃き掃除をして、「今日も楽しかった」と思える1日が終わりました。
今回の栗原はるみさんのレシピ
・スパイスシフォンケーキのアレンジ



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