朝6時。
玄関を出た瞬間、ひんやりとした空気が頬をなでる。
東の空がゆっくり明るくなっていくのを見て、「始まる」と心の声が聞こえました。
近くの土手を歩きながら草の音や遠くの鳥の声を聞いていると、体も心もすーっと静まっていきます。特別なことはしていないのに、自律神経が整うってこういうことかもしれません。
私は冷たい空気を肺いっぱいに吸い込みました。
気持ちいい。
最近、樺沢紫苑先生の『3つの幸福』を読み返しました。幸福には「ドーパミン的幸福」「オキシトシン的幸福」「セロトニン的幸福」がある、というあの本です。
目標は早く達成したい、結果がみたい――
私はどちらかというとドーパミン的幸福を追いかけがち。
年齢を重ねると、それだけでは体も心ももたないと「わかる」場面が増えてきます。
今は自然と、「今ここにある幸福=セロトニン的幸福」をちゃんと味わうことを優先したいと思うようになりました。
朝日を浴びること、歩くこと、深く呼吸すること。
どれもお金のかからない習慣ですが、効果はとても大きいのです。

以前は「もっと早く」「もっと上手に」と、結果を先に取りにいくことが多かった自分な気がします。
この年齢になり、少し考えが変わりました。
いつどうなるかわからない、という感覚が前よりもリアルになるからでしょうか。
「いつか余裕ができたら」よりも、「今、5分でできることを丁寧にする」。
これが、今の私が積み重ねているものだと思います。

歩きながら、持ってきた紅茶をひと口すする。
喉から胃に熱い紅茶が流れていく。
鼻から抜けるアールグレイの香り。
息の白さがさっきより濃い。
そういう季節になったんだなぁ。
幸せを噛み締める。
何度も何度も噛み締める。
去年の今頃は倒れていたから。
帰ってからも、朝日の続きみたいな光の中で本を読みました。
さきほどの『3つの幸福』です。幸福は遠い未来にあるのではなく、
“今、味わっている時間”にあります。

忙しくしていると、どうしてもドーパミン的幸福(達成・成功)を先に取りにいきたいものです。
でも、土台になっているのはセロトニン的幸福(睡眠・食事・運動・朝日・呼吸)。
ここが満たされていると、頑張るほうもちゃんと回る。
朝散歩のコツはとりあえず、15分だけやってみることじゃないですかね。
自律神経を整えることは、本当は簡単なのかもしれません。


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