2011年。思いがけないご褒美のように「最優秀講師賞」が届きました。
4,000人規模の中で全国6位。副賞は、はじめての“ファーストクラスで行くハワイ”。
その旅で、私の中のパンケーキの概念が静かに書き換わりました。
エッグスシングスの、雲のような生クリーム。
ローカル喫茶店では、シロップに包まれる甘い一皿。
コンドミニアムの朝はベーコンとスクランブルエッグ。
高級ホテルでは、しっとりほどける上品なパンケーキ。

帰国後はパンケーキ本を集め、配合を変え、焼き方を変え、
しばらくのあいだ、その高揚感の中にいました。
年月が流れ、筋トレをするようになり、50代を迎え、
食事への向き合い方がゆっくりと変わっていきました。
「おいしい」だけでは、体は整わない。
でも、好きなものを手放す必要もない。
ただ——“ちょうどいい距離感で続ける”こと。
その大切さに気づいたのは、この頃からでした。
変わっていく価値観の中で、
形を変えながら好きでい続けることもまた、
静かな喜びなのだと思います。
道具選びも少しずつ研ぎ澄まされ、
たくさん試した中で残ったのは、
いま愛用しているNordic Wareと釜定のシャロウパン。


パンケーキの作り方は、これからも少しずつ変わっていくと思います。
こだわりすぎず、でも大切にする。
そんな距離感で、これからも焼いていきます。


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