思い出のかぼちゃ汁粉 栗原はるみさんの「わたしの味」

栗原はるみさん「わたしの味」 かぼちゃ汁粉 わたしの味
栗原はるみさん「わたしの味」 かぼちゃ汁粉

20年ぶりのかぼちゃ汁粉と思い出

シーツにアイロンをかけたり、フローリングを磨いたりしたお休みの午後
時計を見たら、ちょうど14時を少し過ぎたところでした。

3時のおやつを作ろう

かぼちゃ汁粉 を作る支度を始めます。

このレシピには、少し特別な思い出がありました。
20代後半、料理教室で講師をしていた頃、私の母より少し若いくらいの、料理上手な生徒さんがいました。授業のあとのおしゃべりタイムでは、私がお伝えしたレシピの倍くらいの数の、最近作ったお料理のお話をしてくださいます。

そのときに出てきたお料理のひとつが、この「かぼちゃ汁粉」。地域のイベントで大鍋いっぱいに作ったところ、大好評だったのだそうです。

あの頃は、今ほど“変わった料理”が当たり前ではなかった時代。「お汁粉をかぼちゃで!?」と驚きながらも、実際に作ってみると、新しいおいしさに出会った気がしたものです。


レンジ任せで気楽に作れる、休日のおやつ

あれから20年。
今回も本を開きました。

かぼちゃ汁粉の材料を並べた様子(かぼちゃ、ココナッツミルク、牛乳、コンデンスミルク、あずきなど)
今回準備した材料たち。コンデンスミルクと白玉粉は、前日に買っておきました。

準備ができたら、あとは簡単。

砂糖は黒糖しかなかったので、白玉団子に色がつきそうですが、そこは気にしないことにしました。

お料理も旅行と同じで、

  • 準備をせずに、思いつきで旅に出る楽しさ
  • 準備を万端にしてから出発する楽しさ

どちらも、それぞれの良さがあります。自分流で作るときは「思いつき料理」。レシピを見ながら作るときは「準備万端系」。慣れていることか、そうでないか。今の私は、その両方を行き来している感じです。


かぼちゃはレンジでほっくり。3種類のミルクでなめらかに

レンジで加熱したかぼちゃをマッシャーでつぶしているところ
かぼちゃはレンジでやわらかくして、熱いうちにマッシュ。

かぼちゃの皮をむいて一口大に切り、レンジで加熱。
じゃがいもで慣れてきているので、この作業もだいぶスムーズになってきました。

熱いうちにつぶしたら、ここに3種類のミルクを加えます。

かぼちゃと一緒に使う3種類のミルク(ココナッツミルク、牛乳、コンデンスミルク)
ココナッツミルク、牛乳、コンデンスミルク。それぞれの“コクとやさしさ”が重なります。

レシピには「よく混ぜる」と書いてありますが、私はなめらかな口あたりが好きなので、ここで バイタミックス(ミキサー) を使いました。昔は手動で頑張りましたが、今は便利な道具もあります。あっという間にスープのようなかぼちゃ汁粉のベースが完成しました。(ブレンダーでもOK)


黒糖入りの白玉団子を、すこしだけ可愛くアレンジ

ボウルの中で白玉粉と黒糖に水を加えて混ぜているところ
白玉粉と黒糖に、水を少しずつ加えて耳たぶくらいのやわらかさに。

次は白玉団子づくり。
黒糖と白玉粉を混ぜたところに、水を少しずつ加えながら、耳たぶくらいのやわらかさになるまでこねていきます。

レシピには「12等分して丸める」とありますが、今回はちょっと可愛くしたくて、ぎゅっと押して、くぼみをつけてみました。

成形した白玉団子を整列させた様子
12個の白玉団子。黒糖でほんのりベージュの生地になりました。

沸騰したお湯で白玉をゆで、浮いてきたら氷水に取って冷やします。

茹で上がった白玉団子を氷水に入れ、奥にはかぼちゃ汁粉のベースが写っている
ままごとをしているような感覚。白玉をつくる時間も、ちいさな幸せ。

温めた器に盛りつけるとちょうど3時

白い深皿に白玉団子だけを並べた盛り付け前の様子
まずはお湯で温めた器に白玉を並べます

かぼちゃ汁粉のベースを温めている間に、白玉をお皿に盛り付けます。
仕上げに、熱々のかぼちゃ汁粉をそっと注いだら出来上がり。

白いお皿の上の白玉団子に、かぼちゃ汁粉をそっと注いでいる瞬間
とろりとしたかぼちゃ汁粉を、白玉にふんわりかけて。

おやつの時間に間に合いました。

かぼちゃ汁粉と白玉団子、中央にゆであずきをトッピングした完成形
仕上げに、ゆであずきをのせて。見た目はすっかり“和のお汁粉”。

スプーンですくって口に運ぶと、かぼちゃの栗のような甘さに、ココナッツミルクのアジアンな香り、そこへ牛乳とコンデンスミルクのやさしい丸みが重なって、思わず目を閉じてしまうおいしさです。

スプーンにすくった、なめらかなかぼちゃ汁粉と白玉団子のアップ
一口ごとに、「作ってよかった」としみじみ感じるおやつ時間。

あずき無しで食べても十分おいしかったのに、ゆであずきを溶かしながら食べ進めると、味わいはぐっと“お汁粉寄り”に。もう、最初の一口には戻れません。


20年たって変わったこと、変わらないこと

20年も経てば、私の味覚も、味に対する経験値も、体の状況も変わっています。正直に言うと、今の私のほうが、このかぼちゃ汁粉をずっとおいしく感じている気がします。

20代・30代の頃の私は、今思えば少し恐ろしいくらい、ハイカロリーなお菓子や料理ばかり作っていました。年代的にもそういう頃でしたし、「料理のやさしさ」にまで意識が向いていなかったのかもしれません。

力任せに「よく混ぜていた」あの頃の私と、バイタミックスで一瞬になめらかに仕上げる今の私。道具も、考え方も、暮らし方も少しずつ変わりました。

このレシピはなぞるだけではなく、思い出や変化を感じさせてくれました。

卵と野菜のケーキもそうでしたが、簡単でおいしくて、おしゃれなメニュー がたくさん載っています。今回のかぼちゃ汁粉をきっかけに、また別のおやつやデザートも作ってみたくなりました。

卵と野菜のケーキの続き|レンジ使いと小さな工夫
栗原はるみさんレシピ「卵と野菜のケーキ」を、休日の小さな挑戦として作りました。丁寧に切る・レンジを使う・やさしく混ぜるだけで驚くほどおいしい定番の一品に。

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